デザイン学研究
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VR デバイスを活用したリハビリテーションプログラムの臨床研究
―立ち座り動作の達成度をフィードバックするインタラクティブなプログラムの心理的効果
吉岡 聖美
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2021 年 67 巻 4 号 p. 4_43-4_50

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抄録

 リハビリテーション動作に連動してVR 画像が変化し,運動量における達成度をアート画像の完成度としてフィードバックする「立ち上がって空に描こう!」のプログラムを開発して,回復期リハビリテーション病院および地域包括ケアの通所介護事業所における立ち座りのリハビリテーションに活用する臨床研究を実施した。回復期リハビリテーション病院では,プログラムを用いた患者はプログラムを用いない患者に比べて,運動後のリハビリテーションに対する「楽しさ」の評価が有意に大きく,また,プログラムを用いた患者は運動前に比べて運動後に,リハビリテーションをより楽しいと感じていることを確認した。加えて,長期間継続することで運動回数が有意に増加することを確認した。地域包括ケアの通所介護事業所では,プログラムを用いたリハビリテーションを実施した通所者は,運動の前後で「活性度」が大きくなる傾向が示され,また,長期間継続することでリハビリテーションに対する「頑張り」「満足度」が大きくなってモチベーションに繋がる可能性が示された。

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