デザイン学研究
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場の固有性が生まれる要因を探る
―街の風景に関するアンケートの比較(タピオラと秋田)
山内 貴博
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2021 年 67 巻 4 号 p. 4_51-4_58

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抄録

 街の雰囲気のちがいとは何か。雰囲気を感じるのは人であり,見ている対象は街である。街の雰囲気のちがいとは何かという探求から始めた本研究は,場の固有性の論理を解明することを主な目的とする。街の雰囲気は,場の個性や特徴といったその場に固有な性質,すなわち場の固有性のことと定義できるように思う。本報告では「街の雰囲気のちがい」を形成する「要素」を解明することを目的として「場の固有性」の理論に基づいた構造化された概念を手掛かりに,二つの街でのそこに住む人の「街(の雰囲気)に対する認識」を明らかにすることを目的としたアンケートを実施し,分析を行っている。二つの街でのアンケート結果に「場の固有性」の考え方を適応し,そこから見出される「街の雰囲気のちがい」の構成要素を解明しようとしている。その結果「シゼン」が,その「ちがい」を形成する「要因(構成要素)」であることを示唆している。

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