デザイン学研究
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パターン・ランゲージのシステム理論
─パターン・ランゲージの誕生(3)
古川園 智樹
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2021 年 68 巻 1 号 p. 1_59-1_68

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抄録

 本論文では,パターン・ランゲージを,都市や建築を生み出す生成システム「パターン・ランゲージ・システム」として捉え,生成システムとしての「要素」と「構造」に着目して,その起源と理論的背景を分析した。その結果,パターン・ランゲージ・システムは,コンピュータを利用した生成システム(「ダイアグラム・オーバーラップ・システム」「ダイアグラム・ツリー・システム」「ダイアグラム・セミラティス・システム」)から誕生してきたことが明らかになった。筆者は,アーカイブ史料の分析から,コンピュータを利用した生成システムの起源が『コミュニティとプライバシイ』にあることと,その時期を明らかにした。同時に,それぞれの生成システムの理論的背景も,以下のように明らかにした(1)主に『コミュニティとプライバシイ』で提案されている「ダイアグラム・オーバーラップ・システム」は,ロス・アシュビー『頭脳への設計』のシステム理論に基づいている可能性が高い。(2)『形の合成に関するノート』で提案されている「ダイアグラム・ツリー・システム」は,ジョージ・ミラー他『プランと行動の構造』のシステム理論に基づいている。(3)『都市はツリーではない』と『形の理論と合成』で提案されている「ダイアグラム・セミラティス・システム」は,アレグザンダー独自のシステム理論である。

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