デザイン学研究
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クリストファー・アレグザンダー博士論文原稿(1960) の分析
― パターン・ランゲージの誕生(5)
古川園 智樹
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2025 年 71 巻 3 号 p. 3_31-3_40

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抄録

本論文では,Early and Unpublished Writings of Christopher Alexander“Chapter 2. Contents, Preface and Part One in early draft of Notes on the Synthesis of Form, 1960”(1960原稿)の分析を行った。分析の結果,以下の重要な知見が明らかになった。(1)1960 原稿は,ダイアグラム・ツリー・システムを提案しているが,ダイアグラムについては考察を行っていない。したがって,その提案されたシステムは,「(ダイアグラム)・ツリー・システム」である。(2)「ダイアグラム・ツリー・システム」の理論的背景に,『生物のかたち』を追加する。(3)1960 原稿には,パターン・ランゲージの理論的背景として極めて重要な概念が説明されている。それは,「文化」「コンテクスト」「言語」「形の産出システム」「システムの形式的(数学的)定義」,「(セミ)ラティス」である。(4)「(ダイアグラム)・ツリー・システム」の理論的背景には,「文化人類学」がある。(5)「(ダイアグラム)・ツリー・システム」の理論的背景には,『頭脳への設計』もある。(6)「ダイアグラム・ツリー・システム」の理論的背景に,『頭脳への設計』を追加する。 (7)1960 原稿では,「(セミ)ラティス」が棄却されている。

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