2025 年 71 巻 3 号 p. 3_61-3_70
本論文では,『パタン・ランゲージ』の共著者:クリストファー・アレグザンダー,サラ・イシカワ,マレー・シルバーシュタインが,バークレー市での1960年代の社会状況や学生・市民運動(1964年のFree Speech Movement,1969 年のPeople's Park)と,どう関わっていたのかを調査・分析した。この調査・分析によって,1960 年代のバークレーの社会状況は,Free Speech Movement への賛同(アレグザンダー)および逮捕(シルバーシュタイン),People’s Park への参加(シルバーシュタイン),1968 年の逮捕(アレグザンダー,イシカワ,シルバーシュタイン)といった事態を引き起こしていた事実を明らかにした。この分析結果をふまえて,本論文は,以下の「仮説」を結論とする:パターン・ランゲージは,「カウンター・カルチャー」として捉えることができ,パターン・ランゲージは,カウンター・カルチャーを生成する。