デザイン学研究
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都市公園の園路歩行時に注視する視対象の類型と役割
─相模原麻溝公園を事例として
下田 倫子
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2025 年 71 巻 4 号 p. 4_1-4_10

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抄録

本研究は,相模原麻溝公園を事例として,都市公園の園路歩行時に注視する視対象に着目し,視対象の種類と印象を分類して把握し,クラスター分析によって視対象の類型を抽出することで,園路歩行時における快適性に関わる視対象の役割を明らかにすることを目的とする。園路上に調査ルートを設定し,キャプション評価法を用いて,写真記録と評価の分析による視対象の分類と快適性に関わる類型抽出のための調査を行った。園路歩行時に注視する視対象は,人工要素,自然要素,人,経路,眺望の5項目,視対象の印象は,機能・環境,眺め,自然,美観,感情・感覚の5項目に分類された。園路歩行時の快適性に関わる視対象は,期待感,開放感,安心感,自然の豊かさ,心地よさ,違和感(目立つ),興味,季節感,違和感(汚れ),寂しさ,危険,各人固有の印象(3類型)の14の類型が抽出された。これらの類型から,視対象には,公園施設や経路と歩行空間の安全性の確認のための機能的役割と,植物や眺望,人の景を眺める観賞的役割の二つの役割を見出すことができた。

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