2007 年 1 巻 1 号 p. 60-63
盲導犬は酷使されるので寿命が短い、という話を聞くことがあるが、この話は科学的な根拠はない。今回、日本に9つある盲導犬育成施設のうち8つの施設より、盲導犬として実働していた犬の447例の死亡年齢を調査する機会を得ることができた。その結果、これらの平均寿命は12歳11カ月であり、死亡年齢が15歳を超える割合は28%だった。そのうちラブラドールレトリバーの平均は13歳3カ月、ゴールデンレトリバーでは11歳5カ月であった。死亡年代別の平均死亡年齢は、80年代で11歳、90年代で12歳3カ月、2000年代では13歳7カ月であり、いずれも家庭犬の平均寿命についての調査に比較して高いことが明らかになった。