デザイン学研究特集号
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看護医療現場を支援するチャイルドライフ・デザイン(<特集>新たな社会づくりのためのデザイン)
岡崎 章
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2011 年 17 巻 4 号 p. 4-13

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抄録

チャイルドライフ・デザインとは、子どもの入院生活のすべてに渡り、大人の知り得ぬ恐怖心や自責の念から解放し、治癒効果を高めるためのデザインのことである。小児看護医療の現場では、子どもの心に配慮したデザインが求められているが、その最たるものがプレパレーション用ツールである。プレパレーションとは、大人のインフォームドコンセントに近いが、恐怖心や不安感を軽減することに大きな目的がある。プレパレーション用ツールを開発・提供することで、小児看護医療現場から求められる以上のデザインすべきツールが明らかになってきた。また、デザイン要素を駆使して人の心を操作する『感性操作』という概念が必要であることが分かってきた。同時に看護医療界が持つ問題点も明らかになってきた。本稿では、ツールの開発プロセスを示すことで、小児看護という社会における子どもの心に配慮したデザイン展開が、保護者のリテラシー、看護師のリテラシー、患児自身のリテラシーのためのデザインへと拡張していくことと、そのために必要な開発システムの必要性を示した。

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© 2011 日本デザイン学会
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