デザイン学研究特集号
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社会を指向した情報支援システムのデザイン(<特集>新たな社会づくりのためのデザイン)
沼 晃介堀 浩一
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2011 年 17 巻 4 号 p. 54-61

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抄録

本稿では、工学技術のみならず実社会での利用環境を含めて情報支援システムをデザインするための一手法を示す。既存の多くの研究のための実験では、統制された環境下で制御しうるパラメータに基づき、数値化可能な尺度により技術を評価しがちである。しかし実社会での複雑で制御できない環境でのユーザの利用を想定したとき、有効な情報システムの設計は純粋な技術的な問題では解決できない。本稿ではわれわれの、市民の表現の支援を対象とする、ワークショップに代表される「メディア実践」を開発・実施するアプローチを示す。メディア実践とは、メディアに媒介された社会的・身体的な実践である。この実践では参加者に活動を通じて価値を提供することを主目的としつつ、その実現のプロセスによって副次的に情報システムとその活用環境をデザインする。本稿ではこのアプローチを概観するとともに、われわれがこれまで行った実践から、同じ形式を用いた2つの事例を取り上げ、実社会での制約がシステムや実践のデザインに与える影響を比較・分析し、提案手法の有効性と限界を議論する。

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© 2011 日本デザイン学会
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