情報化時代を向かえて, これからの教育における数学の役割は大きい。社会からは特に一般大衆の数学的な知性が要請されるのとは裏腹に, 数学離れの傾向も進行している。中学校までは数学に興味を持ち続けた生徒が何故高校で落ちこぼれていくのか。また, 数学を単なる計算術とみて, 興味を抱けなかった生徒を引きつけることが何故出来なかったか。高校の数学教育を主題として文部省科学研究費のサポートのもとに続けられた「数学教育の会」はその最初の回答を, 今回の新カリキュラムによって回答した。以下はその基本哲学のあらましである。