汽水湖である宍道湖・中海は互いに湖水に含まれる塩分が異なり, それぞれ塩分に応じた生物が生息している。特に肉眼的な大きさの海藻類の水域による変化はダイナミックでその変化を観察しやすい。植物プランクトンの分布も両湖で異なっており, 汽水域では塩分が生物の分布を制限する大きな環境要因の一つであることを指摘することができる。富栄養湖である宍道湖・中海には一次生産者の藻類が豊富であり、消費者の底生生物、魚類、鳥類も数多く生息し、互いに食物連鎖でつながり独特の生態系を形成している。水質評価だけでなく、地域の生物多様性と生態系の理解をめざす環境学習を提案する。