褶曲,断層について平成20年度までの学習指導要領では,断層のみ地層と関連づけて取り扱ってきた.今回の改訂で地層の重なりと過去の様子を考えさせるときに褶曲も取り扱うことが示されている.そして,断層と褶曲の違いを岩石の物性の違いにあることを理解させることや断層のずれが瞬間的起こり,長い間にそれが繰り返されるが,褶曲は海底地すべりによるもの以外は,連続的にゆっくりと進行するものとして扱っている.また,どの教科書も横からの圧縮で理解させるようになっている.しかしながら,断層も褶曲も,顕微鏡サイズ,岩石サンプルサイズ,露頭サイズおよび地質図に現せるサイズまで多様であり,その成因も一元的でないことを理解する必要がある.ここでは,熊本県内の曲げ褶曲の事例と褶曲構造と地形の関係について説明している.