2018 年 28 巻 5 号 p. 19-24
本研究の目的は,児童の加法・減法の方略の実態を捉え,そこにはたらきかけることを通して,児童の方略の進展を促す指導,特に教具を用いた学習活動,を提案することである。児童の実態に応じた指導についての情報を得るために,高学年になっても素朴な方略を用いている児童に対し対象児の実態を把握し,それに応じた教具の活用の工夫をした個別指導を試みた。その結果,教具の特徴を生かした使用の場面を考え,具体的な操作活動を行うことで,既知の理解として身についている内容と不十分な理解の内容とがつながることがわかった。