2015 年 30 巻 7 号 p. 35-38
本研究では、理科授業において帰納的推論と演繹的推論の特徴を踏まえた、子どもの考えを抽象化に導くための教師の働きかけについて検証した。その結果、帰納的推論を用いた考察をおこなう授業では誤差を少なくするための注意喚起をする、全ての班の実験結果を掲示する、掲示した結果の仲間分けをおこなうなどの教師の働きかけが確認された。演繹的推論を用いて考察をおこなう授業では、前提が正しいかの確認をおこなうことが確認された。以上のことから、それぞれの推論方法を用いる場合の指導のための具体的な手法の一部が明らかになった。