日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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発表
地球と宇宙に関する児童の認識調査(1)
林 眞平土田 理
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2017 年 32 巻 2 号 p. 63-68

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抄録

小学校理科において,太陽や星の動き,月の満ち欠けなどの学習は,継続観察の難しさや方位概念や視点移動能力の問題など抱えており,十分に理解できない児童も多く,教師が授業を展開する上でも課題となる単元である。そこで本研究では,1987 年に鹿児島県内で行われた調査の質問紙を参考に,星,月,雲,地面の下,季節感などに関する7つの設問で,選択肢,描画,記述式の回答方法からなる質問紙を作成し,現在の鹿児島県内の小学生を対象に,児童が持つ自然認識の調査を行った。その結果,例えば,星の並び方では,1年生でも約70%の児童が星の距離が違うことを認識している一方で,6年生でも同じ距離にあると考えている児童が約16%いることが分かった。また,地上で同じ時刻に見える月の形についても,月の学習が終わった4 年生でも,鹿児島で月が見えていても東京で月は「見えない」「違う形に見える」と考えている児童が,約30%存在することが分かった。

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© 2017 一般社団法人 日本科学教育学会
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