「理科を学ぶことの意義や有用性を実感する機会を持たせ,科学への関心を高める」ために,レリバンスの利用がある.資質・能力を育成するためには,それが発揮できる文脈における学習が重要とされ,単なる実生活・実社会ではなく,学習者と学習内容との関係性を表す概念であるレリバンスは,非常に重要である.ただ,レリバンスは多様な側面を持ち,提案者によって様々である.そこで本研究では,多様な側面を持つレリバンスを歴史的,分野的に整理し,包括できる構造モデルを考察することを目的とする.本論では,Stuckeyらのレリバンスモデルを援用し,主に個人的(面白さ)・社会的(社会とのつながり)・職業的(企業や製品,就職とのつながり)に分類した.そのレリバンスの3次元モデルを仮に設定し,多様なレリバンスの位置づけを行った.今後,レリバンスの3次元モデルの問題点を明らかにし,さらなる活用を図る.