日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
獲得した知識を俯瞰する行為に着目した学習者の科学概念構築に関わる思考プロセスについて
中込 泰規加藤 圭司
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2019 年 34 巻 3 号 p. 207-212

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抄録

本研究は,理科学習における深い学びへのアプローチに対して,Scardamaliaの提唱する知識構築の原則の1つである「俯瞰する行為(Rise above)」に着目する中で,その思考プロセスの具体像を明らかすることから,先の行為の枠組みとその定式化を試みるものである.併せてその分析から,俯瞰する行為を促進する要因を考察して,深い学びを実現する授業デザインに対する示唆を得ることを目指す.

俯瞰する行為の促進要因については,自らの考えに対するメタ認知的活動を伴った評価と,それによる考えるべき視点や範囲の更新が抽出された.その際,異なる視点で再思考が行われることから,螺旋型の思考ループが生じ,これが知識の抽象度を高めることにつながったと判断できた.このことから,この螺旋型の思考ループを生じさせる手立てを検討することが,理科学習における深い学びを実現する授業デザインの重要な視点となる.

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© 2019 一般社団法人 日本科学教育学会
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