2019 年 34 巻 3 号 p. 269-274
新学習指導要領では,地域からの学びや防災教育が重要視されている.そこで,生徒が暮らしている地域を地形・地質等から学ぶ理科的な学習と,地図の活用や歴史・文化等から学ぶ社会科的な学習の教科横断的なカリキュラムを作ることで,身近な地域を多面的に学び,地域の自然災害について思考する授業を実践した.地域を知るためには,地域を俯瞰的に見て立体的に空間を実感できる教材が必要であると考え,3Dプリンタを活用した地形モデルの開発を行い,地形モデルの活用を起点に学習を進めた.生徒は, 地域巡検の経験と地形モデルで捉えた特徴を関連付けることが可能になり,地域の地形の特徴を捉えさせることができた.また,地形の理解が地域の自然災害について思考する一助となった.