日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
科学の本質(Nature of Science)の理解を育む小学校理科授業の開発
中山 萌絵小倉 康
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2020 年 34 巻 6 号 p. 37-42

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抄録

本研究では, 日本の大学生のNOSの理解度の分析, 日本と米国の教育課程及び理科教科書の比較・分析を行うことで, 日本のNOSの指導内容の取扱いの傾向を明確化し, それらを踏まえ, 現行の教育課程に沿った小学校理科授業の開発を行った. 分析の結果, 「科学研究における想像力・創造力の役割」「科学の限界」「自然における秩序と一貫性の前提」「観察と解釈」「科学に関する社会的影響」「自然科学の検証可能性」のNOSを導入する授業の開発が必要であり, また科学者としての活動を印象付けながらNOSを実践的に学習できるような授業案を作成することがNOSの理解を育む上で有効であることが示唆された. そこで「科学の限界」と「自然科学の検証可能性」のNOSを導入する授業案を開発し, 大学生対象の検証授業や現職教員へのヒアリングによりその有効性を検討した結果, NOSの理解を促すことが期待できる授業案であると評価された.

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© 2020 一般社団法人 日本科学教育学会
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