消防研修で活用されている燃焼の3要素に基づく消火の理論は,消防活動に伴う二次災害の危険性を理解するには説明が不足している.同理論を教材として活用している理科教育の分野でも,「熱」の正体と燃焼現象の本質を理解することができるように,指導方法を模索する必要がある.概念地図法は,十分に体系化されてはいないが体系化でき得る領域において学習促進的効果が生じやすいと考えられている教育実践の技法である.燃焼学習に概念地図法を適用することによって,消防研修と理科教育の両面で,教材を改善できる可能性が考えられる.そこで本研究では,ろうそくの燃焼過程とろうそくにコップをかぶせたときの消炎過程を説明することができるようになるために必要な一連の知識の集まり(命題群)を設定するとともに,燃焼現象の理解を促すための概念地図の作成を試みた.