2020 年 35 巻 1 号 p. 5-8
本研究で提案する Reflection in Question (RIQ)とは,知識を理解するために学習者自らが問いを挙げる中で,挙げた問いに対する振り返り(リフレクション)を挟むことにより,学力の3要素を高めることを目指す手法である.本研究では学力の3要素の基礎となる知識の精緻化と思考の活性化に対するRIQの効果を検証した.すなわち,7回のRIQに基づく課題を通じて学習者の問いの質と量の変化を検証した.その結果,1 回目から7回目にかけて,低次な問いの量が減少し,高次な問いの量が有意に増加したことにより,RIQによる問いの高次化,ひいては知識の精緻化と思考の活性化とを促進されることが示唆された.