日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
ESDの視点からみた生活科カリキュラムに関する一考察
―ドイツにおける「事実教授(Sachunterricht)」のカリキュラムに着目して―
遠藤 優介
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2022 年 36 巻 5 号 p. 77-80

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抄録

「持続可能な開発のための教育(ESD)」が国際的にも一層重要視される中,学校教育全体を通してそれを推進していくことが求められている.本稿では,ESDの視点からみた生活科カリキュラム編成のあり方をめぐる議論の一端として,ドイツにおける州レベルの事実教授カリキュラム(メクレンブルク・フォアポンメルン州及びニーダーザクセン州)の事例を分析し,その特徴的側面を探り,以下の点を指摘した.(1)教科横断的なテーマとしてESDを位置付けつつ,事実教授という教科内で育成を目指す個々のコンピテンシーや教育内容レベルで,ESDの視点との関連が明確に示されている.(2)ESDの視点と事実教授において育成を目指すコンピテンシーや扱う教育内容との関連付けに関しては,カリキュラムによって必ずしもその範囲・程度が一様なわけではない.

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© 2022 一般社団法人 日本科学教育学会
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