幼児教育の段階で,視点移動能力の育成の基礎を担うことができないかと考え,幼児に視点移動を促す活動の手立てについて検討した.T認定こども園においてプログラミングカーをマップ上のスタート地点からゴール地点まで移動させるプログラムを作成すること課題として事前テストを行い,誤答を分析したところ,車が転向した後に幼児はどちらが進行方向になるのか分からなくなるという傾向を指摘した.そこで,車本体に小型カメラを取り付け,運転者としての視点をモニターに表示するという手立てを工夫した.幼児45名を対象にこの手立てを用いて試行実践したところ,正答率は20%とわずかであり,この活動の手立てでは,幼児に視点移動を促すことは困難であったことが示唆された.