2023 年 38 巻 2 号 p. 243-246
統計教育は算数・数学科だけではないが,他教科でのその実態は明らかではない.そこで本稿では,小学校理科「振り子の運動」単元の統計教育を明らかにするために,統計的認識の発達と平均の意味を視点として6社の教科書を分析した.結果として,データ数を増やすことで誤差を制御する活動を確認できないことから,決定論の〈確信〉は転換されず,誤差は外的要因に帰されてしまうことを述べた.また,算数科と同様に,公平な分配の意味で平均が用いられており,それゆえに測定値を平均する合理的な理由が与えられていないことを指摘した.教科等横断的な統計教育に向けて,教科の制約を含め,更なる調査が必要である.