本研究の目的は,学んだことが生かされる観察・実験を行うことで学習の転移を図り,知っている知識を,使える知識へと育成できるようになるとともに,理科を学ぶ意義や有用性を実感させることができるような指導法の開発及びその効果の検証である.本研究では,中学校第3学年の「仕事とエネルギー」単元において,仕事の原理が活用されている道具を実際に再現する活動を設定した.また,授業の始めと終わりに仕事の原理が活用されている道具の種類としくみを自分の言葉で表現する活動を取り入れた指導法を開発した.その効果を検証するため,大学生を対象に検証授業を実施し,質問紙調査を行った.分析の結果から,生徒が単元で学んだことが,日常生活や身の回りで活用されていることに気づかせることや,どのように活用されているかを理解できる「使える知識」への育成に効果がある可能性が示唆された.また,再現活動では,既習知識を体験的な活動の中で再確認することができ,実感を伴った知識へと変化できるという点で知識の定着に有効である可能性が示唆された.