堆積学研究
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日本海背弧海盆の中新世深海砂岩の曹長石化作用
セイエドラリ アバスボッグズJr. サム
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1996 年 43 巻 43 号 p. 1-18

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抄録

日本海のODP Legs 127/128航海で採取された中新世砂岩は差別的埋没条件による長石の曹長石化作用に関する資料を提供してくれる.
北部日本海盆の796地点 (埋没温度は60℃以下) では火砕質砂岩の長石は曹長石化を受けていない. ほかの2地点 (797・799地点) では, 長石砂粒は種々の段階の曹長石化作用を受けている. 797地点の砂岩は120~150℃, 799地点では90~100℃の続成的温度変化の影響を被っている.
曹長石化作用は溶融・再沈殿作用の形で進行している. 曹長石化作用は本来の化学組成を変え, 多くの斜長石粒の双晶・累帯構造を変化させている. これらの続成的変化は長石類を供給源岩決定に役立たないようにしている.

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