堆積学研究
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沖縄県, 琉球大学キャンパス内のレンガ造りの建物の壁に沈澱している芒硝石と石膏
山本 聰祝 有海
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1997 年 46 巻 46 号 p. 15-21

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抄録

沖縄県, 琉球大学キャンパス内のレンガ造りの建物の壁に, 細粒の白色硫酸物が沈澱しているのが発見された. この沈澱物は壁からナイフで削り取られ, その後, X線回折, 走査電頭による検鏡などを行った. この硫酸沈殿物は亡硝石と石膏であることが判明した. これらの硫酸鉱物は酸性雨に含まれる硫酸イオンと陽イオンが蒸発作用によって結合して生成され, 陽イオンのうちナトリウムは酸性雨からカルシウムはレンガから供給されているものと思われる. これに加えて, この壁で, 肥料から雨によってしみ出した水の影響を受けて, 石膏やテイロライトの硫酸鉱物が大量に沈澱生成されているのが偶然にも発見することが出来た.

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