堆積学研究
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青森県下北半島, 更新統田名部層における海進期のバリアー島堆積物
石田 磨妃鎌田 耕太郎
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2000 年 52 巻 52 号 p. 53-62

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抄録

青森県下北半島の田名部低地帯には, 更新統田名部層 (桑野, 1956) が広く分布しており, 特に下北半島北部海岸では, 連続した露頭の観察が可能である. 桑野 (1957) が三角州堆積物とした, 稲崎付近の田名部層 (石持納屋部層) について堆積相解析を行った結果, バリアー島堆積システム (前浜-外浜堆積物, ラグーン堆積物, 潮流口堆積物) から構成されていることがわかった. また, その下位には汐崎部層に対比可能なエスチュアリー堆積相も分布することがわかった. バリアー島本体を構成する前浜-外浜堆積相はラグーン堆積相を覆う. その上位には, 潮流口堆積相が発達する.
本層のバリアー島堆積システムは中期更新世の海進期に形成されたもので, 堆積相組み合わせやその特徴により, 波浪卓越型に区分されることがわかった.

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