人工的にトマト青枯病菌を接種した軽石培地を用いた養液栽培において,各種拮抗菌とリジンを添加して,発病への影響を評価した。小規模ポット試験においてアミノ酸あるいは糖類添加のトマト青枯病発病抑制効果をスクリーニングしたところ,リジンの単独添加,あるいは,拮抗菌との同時添加により,トマト青枯病が顕著に抑制できることがわかった。そこで,温室内で1/2000アールポットを用いてトマトを栽培したところ,1年目では,拮抗菌Pseudomonas fluorescens MelRC2Rif株の単独接種に比べ,軽石1kg当たり1gのリジンと同時に添加することで,発病率が低下した。しかし,拮抗菌とリジンとの併用により,発病は抑制できたが,収量が低下する傾向が見られた。2年目では,リジン単独(0.25gkg^<-1>),拮抗菌Ralstonia pickettii K20株の単独あるいは両方の添加区を設けたところ,いずれも効果的にトマト青枯病を抑制し,トマトの収量・品質においても,阻害的な影響は見られなかった。