生物が肉眼では観察できないほど弱く発光する現象は,生物微弱発光またはバイオフォトンと呼ばれる。植物はストレスを受けるとバイオフォトンの発生量が増加するため,バイオフォトンはストレスを把握する指標として利用することができる。病害抵抗反応に基づくバイオフォトンは,病害抵抗反応のシグナル伝達経路を通って発生し,また,除草剤処理により発生するバイオフォトンには除草剤の解毒代謝が関与することが判明しており,バイオフォトンの発生メカニズム解析からもバイオフォトン発生とストレス応答との密接な結びつきが示唆されている。ストレスの生体情報であるバイオフォトンを利用して,病害抵抗性誘導剤のスクリーニングシステムと植物の除草剤抵抗性判定法の開発を行った。