外科と代謝・栄養
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症例報告
点滴の滴下不良を契機に診断された,皮下埋込型中心静脈ポート接続部におけるカテーテル断裂の1 例
高橋 賢一舟山 裕士生澤 史江徳村 弘実豊島 隆武者 宏昭西條 文人鈴木 洋松村 直樹武藤 満完安本 明浩松村 勝又吉 信貴澤田 健太郎柴原 みい
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2013 年 47 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

 症例は76 歳男性.痔瘻癌に対する腹会陰式直腸切断術後の補助化学療法目的に右鎖骨下静脈内に皮下埋込型中心静脈ポートを留置した.modified FOLFOX6 療法を開始したところ点滴の滴下が不良であり,2 時間で注入すべき500 ml の点滴の注入に3 時間以上を要する状態であった.胸部単純X 線写真やカテーテル造影検査,CT 検査にてピンチオフをはじめとする明らかな異常所見は認められなかったが,カテーテルとポートの抜去を行った.カテーテルは接続部のステム上で断裂しており,断裂部近傍で片側性に“く”の字にくぼむ変形を来していた.カテーテルロックを押し込む際にカテーテルがまっすぐ押し込まれなかったために,ステムの先端近傍でカテーテルが折れ,ステム開口部の不完全閉塞とカテーテルの断裂を来した可能性が考えられた.ポートとカテーテルの接続の際には,細心の注意を払うことが必要である.

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© 2013 日本外科代謝栄養学会
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