外科と代謝・栄養
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原  著
短腸ラットモデルにおけるシトルリン補充療法の有用性および citrulline‐nitric oxide cycle の分子生物学的検討
前川 昌平木村 浩基米倉 竹夫保木 昌徳朴 雅美森下 祐次八木 誠奥野 清隆
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2014 年 48 巻 1 号 p. 9-20

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抄録

【目的】シトルリンはアルギニンの前駆物質で,一酸化窒素(NO)の産生に関与する.そこで中心静脈栄養(TPN)に依存し低シトルリン血症を呈する短腸症候群へのシトルリン投与の有用性についてcitrulline‐NO cycleを中心に検討した.
【方法】80%小腸切除ラットに,アラニン(Ala群), シトルリン(Cit群),アルギニン(Arg群)をそれぞれ2 g, 1 g, 1 g /kg/day添加TPNを7日間施行し,血漿アミノ酸,肝腎でのシトルリン代謝関連酵素のmRNAの発現を測定した.
【結果】Cit群では血漿シトルリンは他の2群に比べ高値を示し,アルギニンとオルニチンはAla群に比べ高値を示した.Cit群の肝におけるアルギニノコハク酸シンターゼ,アルギニノコハク酸リアーゼは他群と比べ,またeNOSはArg群と比べmRNAの発現を有意に高く認めた.腎では差はなく,肝のアルギナーゼやオルニチントランスカルバミラーゼの発現も差はなかった.
【結論】シトルリンの補充はcitrulline‐NO cycleの関連酵素の発現をもたらし,NO産生に有用と考えられた.

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© 2014 日本外科代謝栄養学会
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