外科と代謝・栄養
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原  著
微量元素製剤配合高カロリー輸液剤投与が成長期および加齢期ラットの血清銅濃度および血清ヘプシジン-25濃度に及ぼす影響
坂田 文子高橋 啓明知久 一雄
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2016 年 50 巻 2 号 p. 169-177

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抄録

【目的】加齢により血清銅および血清ヘプシジン-25 濃度は高値となる.加齢期ラットにおける高カロリー輸液用微量元素製剤投与による銅の補給効果とヘプシジン-25 に及ぼす影響について確認する.
【方法】成長期および加齢期ラットに微量元素製剤配合あるいは無配合高カロリー輸液剤を7 日間投与した後,血清銅および血清ヘプシジン-25 濃度を測定した.
【結果】成長期ラットでは微量元素製剤を投与しないと血清銅濃度は低下したが,加齢期ラットでは血清銅濃度の低下は認められなかった.また,成長期ラットでは微量元素製剤投与によりヘプシジン-25 の誘導が認められたが,加齢期ラットでは微量元素製剤投与前に血清ヘプシジン-25 濃度はすでに高値で,微量元素製剤投与によるヘプシジン-25 誘導は認められなかった.
【考察】高カロリー輸液剤投与時の銅および鉄の必要性は年齢により異なり,微量元素製剤の加齢期の至適投与量について検討する必要があると考えられた.

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© 2016 日本外科代謝栄養学会
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