外科と代謝・栄養
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特  集
糖尿病合併重症肥満患者に対するスリーブバイパス術の効果
内藤 剛田中 直樹宮地 智洋井本 博文土屋 堯裕河野 えみ子長尾 宗紀武者 宏昭中川 圭森川 孝則元井 冬彦片寄 友海野 倫明
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2016 年 50 巻 4 号 p. 217-222

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抄録

 糖尿病患者は世界的に増加しておりわが国でも2000万人以上の国民が糖尿病もしくはその可能性があるとされている.糖尿病治療の主体は食事・運動療法や薬物療法であったが肥満症に対する減量手術が糖尿病改善効果を示すことが分かってきた.減量手術は「摂食制限手術」と「摂食制限+吸収抑制手術」に大別される.糖尿病に対する効果は吸収抑制手術において高いとされているが現在わが国ではスリーブ状胃切除術(LSG)のみが保険適応である.われわれは糖尿病合併肥満症例に対しLSGにバイパス術を付加するスリーブバイパス術(LSG/DJB)を導入している.いずれの術式においても糖尿病の改善を認め,ほとんどの症例で薬物療法から離脱している.しかしLSGのみでは効果が不十分な症例もあり,その効果はLSG/DJBでより高いことが示唆された.今後さらなる症例集積と検討を行いスリーブバイパス術の効果を検証していく予定である.

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© 2016 日本外科代謝栄養学会
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