外科と代謝・栄養
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原  著
膵頭十二指腸切除術における術後回復力強化(Enhanced Recovery After Surgery:ERAS®)プログラムの安全性と有用性の検討
眞次 康弘大石 幸一大下 彰彦伊藤 圭子中原 英樹漆原 貴板本 敏行
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2016 年 50 巻 5 号 p. 297-305

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抄録

 術後回復力強化(ERAS)プログラムの適応は拡大しているが膵頭十二指腸切除術(PD)の検討は少ない.われわれは2007年~2015年までのPD連続138例を対象に従来管理36 例(C群:2007.6~2010.9),ERASプログラム導入前期61例(E1群:2010.10~2013.12),導入後期41例(E2群:2014.1~2015.12)の安全性と有用性につき検討した.対象の年齢中央値71歳,膵管癌43%,胆道癌36%,幽門輪温存PD46%で各群に有意差はなかった.術後経口開始(C vs E2:7日 vs 1日),固形食開始(10日 vs 3日),離床(5日 vs 2日),術後在院日数(52日 vs 18日)は有意に短縮,合併症発生率(72.2, 42.9%)は有意に減少,再入院率(5.6, 5.0%)に変化なく,導入群に手術死亡は認めなかった.PDにおけるERAS プログラムは安全に実施可能で有用性が期待できる.

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© 2016 日本外科代謝栄養学会
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