当院にて過去3 年間に施行した幽門輪温存・亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(PPPD・SSPPD)後の経腸栄養において投与栄養剤を半消化態栄養剤(PF)から消化態栄養剤(OF)へ変更したことの有効性について後方視的に検討した.その結果栄養学的パラメーターにおいては両群間に差は認められなかったが,OF 群ではPF 群に比べ有意に下痢発症を抑制し{OF vs PF/18.8% vs75%:P=0.025},有意な投与期間の短縮{OF vs PF/9 日(4-27 日)vs 20.5 日(3-84 日):P=0.02}がみられた.在院日数もOF 群において短縮傾向がみられた.合併症を抑制できたことで短期間の栄養剤投与からスムーズな経口摂取再開につながり,さらには在院日数の短縮傾向につながったと考えられた.これよりPPPD・SSPPD の術後経腸栄養にOF は有効であると考えられた.