外科と代謝・栄養
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ISSN-L : 0389-5564
原著(臨床研究)
運動量と睡眠時間が化学療法の好中球減少に与える影響についての検討
原 敬介山田 岳史廣瀬 樹小泉 岐博進士 誠一太田 竜横山 康行高橋 吾郎堀田 正啓武田 幸樹上田 康二大和田 勇人吉田 寛
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2020 年 54 巻 1 号 p. 36-41

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抄録
 5‐Fluorouracil (5‐FU) の代謝には骨格筋量と概日リズムが関与していると報告されている. そのため, 化学療法施行中の運動量や睡眠時間の低下が有害事象の発生に影響を与える可能性があると考えられるが, 両者の関係性は明らかではない. 本研究では5‐FUを含む大腸癌化学療法施行患者の好中球減少発生に運動量と睡眠量が与える影響を検証した.患者に活動量計を装着させ, 化学療法施行中の歩行数, 睡眠時間を計測し, 好中球減少発生頻度を比較した. 対象症例数は59例, 正常群は45例, 減少群は14例であった. 好中球減少群の浅睡眠時間は有意に長かったが, 総睡眠時間, 総歩行数に差はなかった. 機械学習では重要度の上位すべてを睡眠時間に関連する項目が占めていたが, 歩行数に関連した項目の重要度は低かった. 睡眠時間とその質が5‐FUの代謝と好中球減少に影響を与える可能性が示唆された.
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© 2020 日本外科代謝栄養学会
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