サルコイドーシスにおいて皮膚病変と肺野病変の関連について検討した. 対象症例は肺生検にて病理診断の確定した131例で, そのうち発見時に皮膚病変を有したのは45例 (34%) であった. 皮膚サルコイドーシス患者 (皮膚サ症) の平均年齢は52歳と皮膚病変を伴わない患者 (非皮膚サ症) の42歳に比して高齢であった. 経気管支肺生検にて類上皮細胞肉芽腫の認められる頻度, ガリウムシンチグラムにて肺への取り込みの陽性率, 肺機能の低下の頻度は皮膚病変の有無による差違は認められなかった.
胸部X線病型のIV型 (肺線維型) の症例が皮膚サ症では7%に認められたが, 非皮膚サ症では0%であった. 発見より3年以内の胸部異常陰影の消失率は皮膚サ症では50%であったが, 非皮膚サ症では68%であった. この事から皮膚病変の存在は予後不良を示していた.