サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
Online ISSN : 1884-6122
Print ISSN : 1345-0565
ISSN-L : 1345-0565
サルコイドーシスにおける妊娠・出産の影響について
松井 祥子山下 直宏丸山 宗治菓子井 達彦多喜 博文小林 正
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 21 巻 1 号 p. 25-29

詳細
抄録

当院にて, 過去20年間に, サルコイドーシスと診断された女性を対象に妊娠・出産を観察しえた症例につき, その前後でのサルコイドーシスの病勢を検討した. 3症例9妊娠8分娩1流産が該当した. 全症例とも妊娠中の悪化はなかった. 5分娩1流産の前後では, 病勢に変化はなかったが, 3分娩において, 分娩2-4ヶ月の時点でサルコイドーシスの増悪をみた. いずれもステロイド治療を要し, 寛解に至った. 妊娠可能期のサルコイドーシス症例においては, 出産が病勢に大きな影響を及ぼすことを認知し, 疑い症例も含めて, 出産前後の注意深い観察が必要と考えられた.

著者関連情報
© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top