サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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腎機能障害を併発したサルコイドーシスの二例
風間 順一郎白崎 有正大林 弘明上野 光博成田 一衛鈴木 栄一下条 文武
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2001 年 21 巻 1 号 p. 69-73

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抄録

高Ca血症と進行する腎機能障害を合併したサルコイドーシスの2例を経験した. 症例1, 63歳・女性. 持続する尿蛋白・尿潜血と高Ca血症を主訴に入院. 腎生検では, 多数の非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を伴う高度の問質性腎炎を認めた. 症例2, 60歳・女性. 腎機能障害と高Ca血症の精査・加療目的に入院. 腎生検では明らかな問質性腎炎は認められず, 近位尿細管に特異な空胞様変性と腫大を認めた. いずれもプレドニソロン30mg/day連日内服治療で速やかに腎機能は改善した. このように, サルコイドーシスに合併する腎機能障害は, 2つの異なる間質・尿細管障害によって発症しうる. これらを非侵襲検査によって鑑別することは困難であり, 正確な診断のもとで的確な治療方針を決定するためには, 腎生検による組織学診断が必要と考える.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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