サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
Online ISSN : 1884-6122
Print ISSN : 1345-0565
ISSN-L : 1345-0565
MRIにて中脳水道病変を認めた神経サルコイドーシスの一例
大石 知瑞子千葉 厚郎作田 学
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 22 巻 1 号 p. 41-44

詳細
抄録

症例は31歳女性. 1998年右反回神経麻痺とぶどう膜炎が出現, サルコイドーシスと臨床診断した. 2000年7月ぶどう膜炎が再燃し, 11月味覚異常と右眼及び右口角違和感を自覚し, 12月右顔面神経麻痺を認め精査入院となった. 入院時, 眼科的には両側虹彩炎と眼底の血管炎, 神経学的には瞳孔の左右差あり, 対光反射は左で鈍, 右末梢性顔面神経麻痺と舌右半側で味覚低下, 右側でChaddock反射を認めた. 検査所見でACEは23.4U/lと正常範囲内であり, 髄液所見で細胞数及び蛋白の軽度上昇を認めた. 胸部エックス線写真, CTで両側肺門リンパ節の腫大を, ガリウムシンチグラムで上縦隔に強い集積像を認めた. 頭部MRI上, FLAIR画像では中脳水道周辺に高信号域がみられ, ガドリニウム造影で同部に増強効果を認めた. 経過とあわせて神経サルコイドーシスと診断した. プレドニゾロンを開始して症状は改善し, また頭部MRIでも中脳水道周辺のガドリニウム増強効果は消失した.

著者関連情報
© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top