サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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血管拡張を伴った皮下型皮膚サルコイドの3例
水野 可魚岡本 祐之堀尾 武
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2003 年 23 巻 1 号 p. 91-94

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抄録

皮膚表面に血管拡張を伴った皮下型皮膚サルコイドの3例を経験した. 症例1は23歳, 男性で全身の表在リンパ節腫脹と四肢に多数の皮下結節を生じ, 両側肺門リンパ節腫脹 (BHL) と血清ACE上昇が見られた. 症例2は36歳, 男性で左上腕に3個, 右上腕に2個の皮下結節が生じてきたため当科を紹介受診となった. 縦隔リンパ節腫脹と脾腫が認められた. 症例3は27歳, 女性で四肢に皮下結節が多発し, BHLが認められた. 3例とも直径5-20mmの自覚症状のない皮下結節で, 皮膚表面に血管拡張を伴っていた. 皮下型皮膚サルコイドは一般に皮膚表面に変化はなく, 血管拡張を伴う症例は稀である. 本症例では組織学的に肉芽腫が皮下に限局せず, 真皮にまで及んでいたため血管が慢性的な刺激を受け, このような特徴的な臨床型を示したと考えられる.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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