2003 年 23 巻 1 号 p. 95-98
症例は61歳女性. 主訴は両側手指の屈曲拘縮. 続発性緑内障と左下腿の腫瘤から眼と筋肉のサルコイドーシスと診断され経過観察されていた. 一方平成11年頃から左小指が, また平成12年からは右小指と右環指が屈曲したまま伸展しなくなった. 平成13年1月当院の整形外科で手術を行い筋サルコイドーシスに伴う屈曲変形と診断され手指伸筋の索状物を除去することで手指は伸展するようになった. 索状物は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を混ずる変性筋組織と考えられた. 筋サルコイドーシスに伴う索状物により手指の屈曲拘縮をきたした症例は極めてまれと考え報告した.