サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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外科的肺生検で診断したWegener肉芽腫症の2例
原田 泰志赤木 隆紀吉村 力白石 素公久良木 隆繁渡辺 憲太朗
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2004 年 24 巻 1 号 p. 83-89

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抄録

症例1は59歳男性. 2003年7月に咳嗽・微熱が出現し胸部単純写真にて右肺門部の腫瘤影を指摘された. 肺癌が疑われTBLBやCT・エコーガイド下肺生検を行ったが, 肺癌の確定診断は得られなかった. 血清C-ANCAの上昇が認められ, Wegener肉芽腫症を疑い開胸肺生検を行った. 切除標本よりWegener肉芽腫症の診断が得られ, ステロイド・免疫抑制剤の投与を開始した. 症例2は53歳女性. 鼻閉, 鼻汁にて発症し近医の耳鼻咽喉科を受診したところ, 副鼻腔CTで腫瘍性病変が認められた. 血清C-ANCAは陰性であった. 胸部CTでは右下葉に腫瘤影が認められ, 右下葉切除術を施行した. 組織学的にWegener肉芽腫症の確定診断が得られ, ステロイドと免疫抑制剤の投与を開始した. 副鼻腔CTのフォローアップはされていないが, 自覚症状や炎症反応は明らかに改善することができた. 以上, 外科的肺生検により診断確定したWegener肉芽腫症の2例を経験したので, 文献的考察を含めて報告する.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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