サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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気管支喘息を合併したサルコイドーシス症例の臨床的検討
大道 光秀平賀 洋明四十坊 典晴
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2005 年 25 巻 1 号 p. 21-25

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抄録

32例の気管支喘息を合併したサ症患者について臨床的に検討した. 当院でのサ症患者301例 (男性108例, 女性193例, 平均観察年数7.5±4.2年) 中32例 (10.6%) で気管支喘息の合併がみられた. 気管支喘息合併例は男性7例 (6.5%), 女性25例 (13.0%) と, 女性において合併率が高かった. 気管支喘息合併サ症例の初診時病期, 性, 年齢分布は非合併例と同様であった. 気管支喘息発症時期は, サ症発症前6例, サ症診断後2年以内7例, 3-5年後が8例, 6-9年後が8例, 10年以上の後が3例であった. サ症病変改善例189例中, 喘息発症が7例 (3.7%), サ症病変の持続, 悪化例106例中喘息発症が19例 (17.9%) と, 有意にサ症病変の持続, 悪化例において喘息の発症が多かった. サ症はTh1優位の病態であり, 気管支喘息はTh2の病態であることから, 両疾患は鏡面的な経過を示すと考えられたが, 我々の成績ではサ症病変持続中またはサ症病変悪化に伴い気管支喘息が発症する場合が多かった.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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