サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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両側肺に巨大嚢胞状変化を呈し, アスペルギルス症を合併した肺サルコイドーシスの1例
城 大祐三谷 明久鹿毛 秀宣河合 誠高井 大哉水口 英彦高見 和孝出崎 真志幸山 正村山 芳武永田 泰自大石 展也石井 彰滝沢 始長瀬 隆英
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2005 年 25 巻 1 号 p. 27-33

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抄録

症例は45歳, 男性. 27歳時に健診の胸部レントゲンで異常を指摘され, サルコイドーシスと診断された. 35歳頃より右上肺野に嚢胞状変化を来した. 皮下結節も生検によりサルコイドーシスと診断された. 36歳頃に眼病変として虹彩炎, 硝子体混濁, 点状出血を認めた. 37歳頃より左上肺野も嚢胞状変化を呈した. 39歳以降, 主に漢方薬処方で外来経過観察とされた. 44歳時に中毒疹 (薬疹) が出現した. ステロイド内服を開始したところ, 左上肺野嚢胞壁の肥厚をみとめ, その後内部に菌球が出現した. 肺アスペルギルス症と診断し抗真菌薬の投与を開始した. 嚢胞状変化を呈した肺サルコイドーシスに合併した肺アスペルギルス症の報告は稀ではない. 本症例では両側巨大嚢胞の形成及び肺アスペルギルス症発症の経過画像を10年にわたり観察し得たので報告する.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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