サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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全身性進行性硬化症, シェーグレン症候群, 慢性甲状腺炎の治療中に発症したサルコイドーシスの一例
青木 由香森松 嘉孝溝口 祐輔上野 二菜清川 哲志河野 文夫相澤 久道
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2005 年 25 巻 1 号 p. 61-65

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抄録

症例は, 51才女性. 11年前から慢性甲状腺炎で治療中, 2002年6月頃より手指腫脹, 口腔内乾燥症状が出現し, 全身性進行性硬化症およびシェーグレン症候群と診断された. 2004年8月の健康診断にて胸部X線像異常を指摘され当科紹介. 胸部X線にて両側肺門リンパ節腫大を認めたため, 精査目的で入院となった. 胸部CTでは, 縦隔・両側肺門リンパ節の腫大, 肺野にはびまん性に粒状影を認めた. 気管支肺胞洗浄の結果は, リンパ球44%, CD4/CD8比4.6, 経気管支肺生検にて, 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスと診断した. シェーグレン症候群に対して, すでに投与されていたプレドニゾロン2.5mg/日 隔日内服を継続して外来で経過観察したところ, 4カ月後の胸部X線では両側肺門リンパ節腫大は軽減した.
近年, 自己免疫疾患とサルコイドーシスが合併する症例の報告が増えているが, 複数の自己免疫疾患に合併する例は稀であるため報告する.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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