サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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皮膚生検組織において肉芽腫性病変を認めた症例の検討
水野 可魚岡本 祐之
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2006 年 26 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

2004年の1年間に当教室で皮膚生検を行い, 組織学的に肉芽腫を認めた症例に関して検討した. 879例のうち肉芽腫病変を認めた症例は88例 (男性35人, 女性53人) であった. 平均年齢は46.7歳で, 皮疹に気付いてから皮膚生検をうけるまで平均24.8ヶ月を経過していた. 皮膚構成成分や外来異物に対する異物反応によるものが最も多く, 全体の57%を占めていた. 以下, サルコイドーシス, 結節性紅斑, 腫瘍と続いていた. 異物反応や腫瘍随伴性のものでは, 肉芽腫以外に各疾患に特徴的な組織所見が見られ鑑別は容易であった. ベーチェット病をはじめとする様々な疾患で出現する結節性紅斑は疾患ごとに特徴的所見はなく, 基礎疾患の鑑別には臨床症状や検査所見が重要であると思われる. また, 肉芽腫は炎症反応のみでなく, 腫瘍に反応して生じることがあり, 経過や臨床像が非典型的な場合には精査を進めることが必要である.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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