2006 年 26 巻 1 号 p. 29-33
症例は45歳男性. 2005年5月12日胸痛, 労作時呼吸困難が出現し, 前医を受診した際, 右気胸を指摘された. 安静のみでは改善せず, 当院外科紹介となった. 気胸は胸腔ドレナージにて再膨張を得たが, 画像上両側びまん性に気管支血管束の肥厚, 胸膜に接する粒状影と縦隔リンパ節腫大を認めるため, サルコイドーシスが疑われ, 内科転科にて精査を行った. ACEは高値を示し, 気管支肺胞洗浄液ではリンパ球増多, CD4/CD8の上昇を認めた. 経気管支肺生検で類上皮細胞肉芽腫を検出し, 抗酸菌や真菌は認めず, サルコイドーシスと診断した. 約1ヶ月後, 同側気胸を再発し, 再度胸腔ドレナージ後, OK-432による胸膜癒着術を行った. 気胸はサルコイドーシスのまれな合併症で, 初発症状であることもあり, 文献的考察を加え, 報告する.