2006 年 26 巻 1 号 p. 35-38
症例は, 55歳女性. 2004年10月人間ドックで頸部, 腋窩及び鼠径部などに多数のリンパ節腫大を認め, 近医を受診し悪性リンパ腫を疑われた. 10月にFDG-PETを施行され, 表在リンパ節に加え縦隔, 胸腔内, 脾臓及び傍大動脈領域に異常集積を認めサルコイドーシスの可能性も考えられ紹介入院となった. 入院時, 多発性表在リンパ節腫大, 多発性皮疹を認めた.
鼠径部のリンパ節生検を行い, 非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断した. その後, 皮膚生検及びTBLBにても同様の病理所見が得られた.
近年, リンパ節腫大を認め, 癌の転移や悪性リンパ腫の精密検査としてPETを施行しサルコイドーシスと診断された症例が報告されてきている. 我々も同様なリンパ節腫大を認めFDG-PETを施行しサルコイドーシスを疑われた症例を経験したので報告する.